2009 Fiscal Year Annual Research Report
外交的保護制度および投資条約制度における「国籍」概念
Project/Area Number |
21830015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪瀬 貴道 Tohoku University, 大学院・法学研究科, 助教 (70552545)
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Keywords | 投資条約 / 投資紛争解決手続 / ICSID / 外交的保護 / 重国籍 / 実効的国籍 / 国際投資法 / 国際仲裁 |
Research Abstract |
当初の計画では、本研究課題の開始前に「投資条約仲裁手続における人的管轄権の判断基準」について論じる博士論文の完成を目指していたが、本研究課題における研究内容を加えてより充実したものとするため、まず、個々の投資条約における「投資家」の範囲に関する規定ついて整理した段階で、「投資条約仲裁の人的管轄権」東北法学34号と題する論文としてまとめた。その後、個々の条約規定の検討に加えて、実際の投資条約仲裁手続に付託された紛争事例の検討を進め、「重国籍者」に関係する仲裁判断例(Champion Trading Company and others v.Egypt事件、Karpa v.Mexico事件など)について整理して研究発表を行った(この内容は、論文としてまとめて学術雑誌に投稿予定である)。なお、本研究課題による研究を含めた形で、投資条約仲裁手続における人的管轄権の判断基準としての「国籍」の機能に関する研究をまとめて博士論文として提出した(未審査)。 本研究のもうひとつの柱である「外交的保護」に関しては、関連する資料収集を実施している段階にある。とくに国連国際法委員会(ILC)の「外交的保護」に関する法典化作業についての資料を中心に収集整理を行っている。 また、本研究課題と関連して「国際法学会」「日本国際経済法学会」等に参加して知見を広めるとともに、本研究課題とより関連の深い小規模な研究会への参加を通して、関連分野を研究している研究者、関連分野に従事している実務家等との間で意見交換を実施することができた。
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Research Products
(2 results)