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2009 Fiscal Year Annual Research Report

医薬品規制システムの社会学的研究

Research Project

Project/Area Number 21830031
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

田代 志門  The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (50548550)

Keywords医薬品規制 / 医療社会学 / 精神医学 / 臨床試験 / 規制の虜 / プラセボ
Research Abstract

本研究は、抗うつ薬の臨床試験を事例として、医薬品規制に関する政府・企業・専門職団体の相互作用を明らかにすることを通じて、新たな医薬品規制システムのモデル構築を行うことを目的としている。今年度は、1)イギリスの科学社会学者J.Abrahamが展開した「規制の虜(regulatory capture)」論を中心とする医薬品規制に関する先行研究のレビューを行うともに、2)日本において論争となった抗うつ薬の臨床試験の事例検討を開始した。
1)については、医薬品規制に関する広範な先行研究のレビュー(医療社会学、医療人類学、生命倫理学、規制の経済学、科学論など)と、それを踏まえた事例の分析枠組みの構築を試みた。特に本研究では、イギリスの科学社会学者J.Abrahamが規制の経済学から導入した「規制の虜」概念に着目し、その理論的彫琢を行った。また、この作業を通じて、従来の社会科学においては、国家による規制は本来的には不要なものと想定されており、望ましい規制のあり方についての議論は十分に行われていないことが明らかになった。
2)については、2006年に日本で発売された抗うつ薬の臨床試験について、関連する資料の網羅的な収集を行い、事例の分析を開始した。本事例は日本で初めての精神医学領域におけるプラセボ対照試験であるとともに、承認後に製薬企業の配布した冊子の記載をめぐって専門職団体が抗議運動を展開するなど、社会的にも注目されたが、その詳細はまだ明らかになっていない。事例の分析に当たっては、あわせて日本の精神医学史および同分野における医薬品開発の社会的文化的文脈についても検討を行い、その結果、事例の背景には日本の精神医学におけるプラセボ批判の伝統があることが明らかになった。次年度は以上の知見を踏まえて、事例分析および理論研究の成果に関して、学会報告を行ったうえで学術論文として公刊する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2010 2009

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article]2010

    • Author(s)
      田代志門
    • Journal Title

      社会学のつばさ--医療・看護・福祉を学ぶ人のために(早坂裕子・広井良典・天田城介編、共著)(ミネルヴァ書房)

      Pages: 130-141

  • [Journal Article] Classes of activities in clinical laboratories : practice, research, or else?2009

    • Author(s)
      Kenji Matsui, Shimon Tashiro
    • Journal Title

      Asian Bioethics Review 1(3)

      Pages: 281-284

  • [Presentation] How can we distinguish research from medical practice? : the Belmont Report revisited2010

    • Author(s)
      田代志門
    • Organizer
      Asian Bioethics Network Meeting Kyoto
    • Place of Presentation
      京都大学(京都府)
    • Year and Date
      2010-01-13

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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