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2009 Fiscal Year Annual Research Report

経済成長モデルにおける時間非整合的選好の役割

Research Project

Project/Area Number 21830035
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)

Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

堀 健夫  Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 講師 (80547513)

Keywords経済政策 / 時間非整合性 / 行動経済学 / 経済成長 / 時間割引率
Research Abstract

経済学の標準的なモデルでは、「人々は異なる財や行為から得られる将来の効用を現在に割り引くとき、すべての財や行為に共通の割引率を用いる」と伝統的に仮定されてきた。しかしそのようなモデルでは、「老後に備えてたくさんの貯蓄を蓄えているが、同時にヘビースモーカーである」といった人々の行動を説明することができない。なぜなら、「老後に備えてたくさんの貯蓄を蓄えている」ことは、老後の消費に関する割引率が小さいことを意味し、「ヘビースモーカーである」ことは将来の健康状態を大きく割り引いていることを意味するからである。実際に、近年の心理学などの経済学以外の分野では、「人々は異なる財や行為から得られる将来の効用を現在に割り引くとき、異なる割引率を用いる」ことを示してきた。
本研究では、まず経済学以外の分野の「人々は異なる財や行為から得られる将来の効用を現在に割り引くとき、異なる割引率を用いる」という成果についてまとめた。このような研究成果は経済学では現在のところあまり知られていないため、他分野の成果を経済学に紹介するというだけで大きな貢献である。さらに、「無限期間生きる個人」を想定したモデルに「異なる財や行為から得られる効用には異なる割引率を用いる」と仮定した簡単なモデルを構築し、(1)標準的モデルと異なり人々の行動が時間非整合的になること、(2)政府が行う最適な政策が標準的モデルと大きく異なる、ということを示した。これらの結果は、論文"A Non-Unitary Discount Rate Model"にまとめ、京都大学で開催された研究会などで報告を行った。当該論文は国際的学術誌に投稿中である。
本研究で構築したモデルは非常に簡単なものであり、標準的モデルとの比較も容易である。そのため、いくつかの研究会で報告した際に、「今後、様々な経済モデルに応用される可能性が高い」と高く評価された。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010 2009

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Technological Progress and Population Growth : Do we have too few children?2010

    • Author(s)
      Koichi Futagami, Takeo Hori
    • Journal Title

      Japanese Economic Review Vol. 16

      Pages: 64-84

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] The Effects of Consumption Externalities in An Innovation-Driven Growth model2009

    • Author(s)
      Takeo Hori
    • Journal Title

      Economics Bulletin 29

      Pages: 1403-1412

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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