2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21830035
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
堀 健夫 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (80547513)
|
Keywords | 経済政策 / 時間非整合性 / 行動経済学 / 経済成長 / 時間割引率 |
Research Abstract |
平成21年度は、「無限期間生きる個人」を想定して「人々が異なる財の効用を異なる率で割り引く」モデルにおいては、政府の行うべき政策が標準的なモデルと大きく異なることを示し、論文"A Non-Unitary Discount Rate Model"にまとめた。平成22年度は、論文"A Non-Unitary Discount Rate Model"をさらに発展させ、労働所得賃金や経済発展が人々の忍耐強さ(気長さ)に与える影響の分析を行った。これらの結果は、論文"A Non-Unitary Discount Rate Model"に加筆する予定である。 同時に、「人々が異なる財や行為から得られる将来の効用を現在に割引くときに、異なる割引率を用いて割り引く」モデルによって、「個人がある一定期間内にある行動を行わなければならない」ようなときに「ぐずぐずと先延ばしする行動」や、あるいは「せっかちで直ちに行動してしまう」といったような行動経済学で観察される人々の行動を説明できるかについて研究を行った。具体的には、ある人が「今月末までに研究報告書を作成しなければならない」ような場合に、報告書作成を先延ばしにするのか、あるいは、ある人が見たい映画があるのだが、4日待てば映画代が安くなることが分かっているときに、いつ映画を見に行くかという問題について分析を行った。本研究の初歩的な結果は、平成22年5月に一橋大学セミナーにて報告を行った。その後、研究の位置づけや意義を再度検討しながら分析を深め、論文"Procrastination and Preproperation"としてまとめた。 この論文は、平成22年11月に関西マクロ研究会で報告を行った。
|
Research Products
(4 results)