2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21830051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
チョルパン アスリ Kyoto University, 経営管理研究部, 准教授 (70511286)
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Keywords | ビジネス・グループ / 開発途上市場 / 経済発展 / 企業パフォーマンス / 多角化戦略 / 企業統治 / 産業政策 / マーケットパワー |
Research Abstract |
ビジネス・グループに関する本研究は、大きく言って、2つの目標を持って始められた。すなわち、個別ビジネス・グループに関する実証的な研究と、それを綜合して行う理論的な研究である。平成21年度においては、この両方において、大きな成果が得られた。 まず、実証的な研究においては、特にトルコ、韓国および日本について、各経済におけるビジネス・グループの発展経路と現状について、活発なフィールドワークを実施し、理論化を可能にするレベルのデータを収集することが出来た。特にトルコに関しては、これまでの研究が他の国に比べて決定的に不足していることもあって、集中的にインタビュー、文献調査を実施した。同国のビジネス・グループで最大であるコッチグループには、本研究に積極的協力を行っていただき、ビジネス・グループの内部の意思決定等に関して、これまでは全く理解されていなかった側面まで、貴重な情報が大量に得れた。 日本については、多くの研究がすでになされており、それらを参考としながら、とくにみずほグループの機構を、インタビュー等にもとついて、現行のグループの一例として考察した。同時に、今日の開発途上経済のビジネス・グループと比較する観点から、第2次世界大戦以前の財閥を多くの文献にもとついて考察した。この結果、同じ「グループ」と呼ばれる企業組織でも、戦前の財閥と前後の企業集団、メインバンク、系列とは、その形成論理、組織構造、運営行動等において、大きな差異があることが解明された。 本研究が対象としている他経済のうち、韓国とインドについては、平成22年度に予定しているフィールドワークの準備として文献調査を実施した。これらの実証的研究を綜合するために、既存の企業発展に関する実証的あるいは理論的な研究をサーベイし、それらの研究が先進経済を考察するには十分としても、開発途上経済の分析ツールとしては不満足であることが確認された。
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Research Products
(6 results)