2009 Fiscal Year Annual Research Report
科学コミュニケーション能力を備えた科学者養成プログラムの開発とその評価
Project/Area Number |
21830054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 圭 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 助教 (30555636)
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Keywords | 科学コミュニケーション / サイエンスカフエ / 教育プログラム |
Research Abstract |
本研究は、科学者が科学コミュニケーション活動を行う際に感じる物埋的・心埋的障壁を見出し、その障壁をクリアするための教育プログラムを開発することにある。 平成21年度ではまず、サイエンスカフェに参加する際の物理的・心理的障壁を抽出することを目的として、2008年3月から2009年2月までに実施していた計5回のiCeMSカフェ(京都大学iCeMSが行っているサイエンスカフェ)に参加した26名の研究者のうち19名にインタビュー調査を行った。インタビューは、iCeMSカフェ実施・運営に関わりのない者が実施した。 全てのインタビューの書き起こしをコード化し、それらの関係をKJ法で分析した。その結果、以下の4つのサイエンスカフェ参加への物理的・心理的障壁が存在することが示唆された。 1. 一般の人と研究について話すことにメリットを感じていない 2. 自分がやる仕事ではないと思っている 3. カフェへの参加や準備にかける時間がもったいなくて面倒 4. 専門家として対話をすることにプレッシャーを感じているからである。 また、iCeMSカフェ中に行われている会話からわかりやすい説明ができた事例(No Good例)/わかりにくい説明になってしまった事例(Good例)を抽出する目的で、2009年度に2回のiCeMSカフェを実施した。iCeMSカフェの様子を収録したビデオから、音声の書き起こしを行った。ただし、会話を把握するには音声の書き起こしによるテキストデータだけでは足らず、話者や聞き手の表情などの情報も必要となる。 そこで、平成22年度では話者や聞き手の表情やしぐさなどの情報を動画中にタグ付けを行う。テキストデータとタグ付けした動画を照らし合わせながらNo Good例とGood例を抽出し、それらを基にしたビデオ教材を開発することを予定している。
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