2010 Fiscal Year Annual Research Report
科学コミュニケーション能力を備えた科学者養成プログラムの開発とその評価
Project/Area Number |
21830054
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 圭 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 助教 (30555636)
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Keywords | 科学コミュニケーション / サイエンスカフェ / 対話 / コミュニケーショントレーニング / マルチメディアコンテンツ / 会話分析 |
Research Abstract |
昨年度に得た「サイエンスカフェに参加した科学者へのインタビュー記録」を詳細に分析した。その結果、サイエンスカフェへの参加をためらう要因を5つ発見した。そのうちの2つの要因は、科学者らが実際にサイエンスカフェへ参加することが現実的になって初めて現れる「より内的な対話への障壁」であることを見いだした。また、「ベネフィット」「動機」「トレーニング」の3要素が、科学者がサイエンスカフェに代表される一般市民との対話活動を円滑に進めるために重要な要素であることも見いだした。 上記の結果については、2011年4月現在、学術論文誌に投稿中である。 次に、発見した5つの要因を乗り越えるためのコミュニケーショントレーニングプログラムで使用するマルチメディアコンテンツの制作を行った。具体的な手順は以下であった。 1. サイエンスカフェの様子をビデオ撮影するために、新たに3回のサイエンスカフェを開催し、各回2テーブルずつ撮影した。1テーブルは、科学者1名と一般市民4、5名からなる。 2. 2テーブル間で対比的なコミュニケーションの様子が見られたビデオを分析対象とした。 3. 分析は、「サイエンスカフェで行われるべき理想の対話」というトップダウンの観点から行われると同時に、「ビデオの中で見られた特徴的なコミュニケーション事例」というボトムアップの観点からも行われた。 4. 分析の結果、トップダウンの観点から3つの視点が、ホトムアップの観点からは3つの視点が得られ、それらの組合せ(3×3=9つの組合せ)からなるビデオクリップを抽出した。 5. これらのビデオクリップを収録したwebサイトを構築中である。
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