2009 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの量と質:南アフリカにおける医療政策の変化と家計の教育投資
Project/Area Number |
21830058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 高弘 Osaka University, 社会経済研究所, 特任助教 (20547054)
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Keywords | 教育投資 / 出生行動 / 医療政策 / 貧困削減 / 南アフリカ |
Research Abstract |
本研究の目的は、南アフリカにおいて1994年に始まった一連の生殖医療政策の変化(診療所の新規建設及び妊婦診療の無料化など)という外生的な政策変化を用いて出生数と教育投資という子どもの量と質の間にトレードオフが成り立っているか否かを実証的に明らかにすることにある。この目的を遂行するために、本年度はデータの整理に最も多くの時間を費やした。研究で使用するデータは1993年、1998年、2004年にわたって調査されたKwaZulu-Natal Income Dynamics study (KIDS)のパネル・データである。とりわけ、2004年のKIDSでは子供の教育達成度についても調査されている。これらの情報を利用し、医療制度改革という外生的な政策変化を通じた、子供の量と質のトレードオフについて分析を行う予定である。 データ整理と並行させて、この分野における先行研究の整理も進めている。本研究がもたらしうる貢献を明らかにするためにもこれは重要な作業である。現在はデータを眺めながら研究の最終的な方向性を定めている段階であるが、直近のデータでも改革から10年以内のものであるということもあり、効果の判別に中長期的な時間を必要とする出生行動・教育投資などの家計行動に着目しているだけに、KIDS以外のデータも利用する可能性も視野に入れている。いずれにしても、本研究は現在までのところ、実施計画通りに順調に進展している。
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