2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21830059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 恵子 Osaka University, 社会経済研究所, 特任助教 (10546732)
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Keywords | うそ / 実験経済 / 匿名性 |
Research Abstract |
21年度の研究目的である、消費者が信頼する情報の検証では、まず、扱う食材と人々のうそに対する選好を調べる実験を先行して実施した。食材に関しては、研究者の主観的判断ではなく、人々の主観性に基づいた食品を扱うことにより、実験環境で被験者の食品偽装事件に対して、より想起させやすくさせるためである。うその選好に関しては、人々がうそに対してどのような選好を持つかを知ることにより、食品偽装事件が人々の中でのどのような位置づけとなっているかを客観的に示すものさしとすることができる。 この先行実験では、お金をより多く得るためにうそをつくかどうかを、2人1組のゲーム形式で行った。ゲームは、匿名性・得られる報酬の差が高額の場合(1000円差)、匿名性・少額の場合(100円差)、そして、直接相手の顔を見る・高額の場合(1000円差)を、それぞれ行った。対象者は一般人と学生からなる、計314人である。ゲーム終了後のアンケートでは、印象に残る食品偽装事件、個人属性等を記入してもらった。 実験の結果は、お金を得るためにうそをつく人は、全体の4割であった。一般人と学生のうそ行動は、報酬の差が高額の場合の方が、少額に比べて、統計的に差が出ることが分かった。また、直接相手の顔を見る場合と匿名性の場合とでは、うそに対して、統計的に差はなかった。個人属性では、女性よりも男性が、また、B型やO型が、うそをつく傾向が観察された。これらの結果は、他の実験研究や心理研究と類似する結果となった。さらに、食品偽装事件を想起させやすい食材は牛肉、牛乳、お菓子類であることがわかった。以上より、一般人や学生を対象としても、お金を得るためのうその行為は、ゲーム形式の実験でも確認された。
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Research Products
(3 results)