2009 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアの開発教育の教育方法学的研究-開発教育論の再構築と実践の探究-
Project/Area Number |
21830093
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
木村 裕 The University of Shiga Prefecture, 人間文化学部, 助教 (90551375)
|
Keywords | 開発教育 / グローバル教育 / カリキュラム論 / 授業分析 / 教育方法学 / オーストラリァ / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究は、オーストラリアにおける開発教育の理論と実践に関する研究蓄積を批判的に検討することによって、開発教育論の再構築と新たな理論に基づく実践のあり方を探究することを目的としている。平成21年度の研究成果は、主に以下の3つにまとめられる。 1つ目は、理論研究の進展である。オーストラリアの開発教育研究に大きな影響を与えているコルダー(Calder, M.)とフィエン(Fien, J.)の所論に関する資料収集と分析を行うとともに、コルダー氏へのインタビューも行った。この作業を通して、両者の所論の類似点と対立点を整理し、理論上の論点を明確にした。また、両者の所論においては評価方法に関する研究が不十分であることも明らかにした。 2つ目は、来年度の現地での授業研究に向けた調査準備である。今年度の現地調査を通して、特徴的な取り組みを行っている3校から、授業研究実施の承諾をいただいた。現在、調査計画のさらなる具体化を行っているところである。 3つ目は、人的ネヅトワークの拡大である。全豪社会科教育者学会(Social Educators Association of Australia)の研究大会への参加を通して、オーストラリアはもとより、イギリス、スウェーデン、イタリアなどのヨーロッパ諸国で開発教育の研究や実践を行っている研究者や教師たちとのネットワークを構築することができた。今後、国際比較研究や成果の交流などを行っていくための重要な礎となるだろう。 来年度はこれらの成果に基づき、具体的な実践の観察と分析を行っていく。多様な実践を検討することにより、実践の特質を類型化することと、上記の評価研究の不十分さも含めて理論が抱えている課題を乗り越えるための具体的方策を明らかにすることが可能になるだろう。
|
Research Products
(2 results)