2009 Fiscal Year Annual Research Report
かな文字習得の特殊表記の習得機序の解明と習得支援法の開発
Project/Area Number |
21830096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Koriyama Women's University |
Principal Investigator |
垣花 真一郎 Koriyama Women's University, 家政学部・人間生活学科, 講師 (00550724)
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Keywords | 読み習得 / かな文字 / 拗音表記 / 濁音文字 / 幼児 |
Research Abstract |
かな文字の濁点は無声音の有声化という規則を表示している(e.g.,か(/ka/)→が(/ga/))。また,拗音表記においては,い段文字の音韻を/Ci/,や行文字の音韻を/yV/とするならば"/Ci/+/yV/→/CyV/"となる「混成規則」がある。これらの符号,表記によって表示される音節は日本語の半数を占め,かな文字の習得においてこれらの規則の習得は,極めて重要だといえる。本研究では,これらの規則習得のメカニズムの解明,およびその応用を目的とする。 本年度はこの研究の基盤となるこれまでの実験データ・論文のまとめ,および研究の関係先との折衝を行った。前者に関しては,「教育心理学研究」誌に「幼児のかな識字能力の認知的規定因」と題した論文が掲載された。後者に関しては,本学附属の幼稚園で週1回の文字習得に関する介入教育の機会を得ることとなった。これは具体的には,この幼稚園で希望者を対象に週1度行われている歌・リズム体操のセッションにおいて,濁音・拗音の音に関する自覚を促す言葉あそびを取り入れるというものである。この介入セッションが22年度6月より開始されることになっている。まず,セッションの開始前に,濁音文字・拗音表記の読み書き能力検査を行い,未習得児であることを確認する。このセッションを半年ほど続けた後に,22年度12月頃に,濁音,拗音の読み書き検査を実施する。セッションを行わなかった群(統制群)との比較により,介入の効果を検証する。
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