2009 Fiscal Year Annual Research Report
概念の形成過程の発達評価と教材教具による学習の系統性についての研究
Project/Area Number |
21830097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
立松 英子 Tokyo University of Social Welfare, 社会福祉学部, 教授 (20510613)
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Keywords | 認知科学 / 教育系心理学 / 特別支援教育 / 発達評価 / 概念形成 / 感覚・知覚・注意 / シンボル機能 / 行動障害 |
Research Abstract |
1 調査研究 「シンボル機能」「視覚-運動機能」「行動特徴」について、それぞれ「太田ステージ評価(LDT-R)」「鳥の絵課題(Task of Birds : TOB)」「改訂小児行動質問票(CBQ-R)/気になる行動質問票」を使って調査を行った。「TOB」は1枚のシートに描かれた鳥の絵の補完課題であり、簡便で現場での実用的価値の高い発達評価として、妥当性の確立と利便性の向上をめざしている。TOBの結果を視覚-運動機能の指標とし、概念の形成過程におけるシンボル機能及び行動特徴との関係を見出すことが本研究のオリジナリティの中核である。 定型発達児の対象として、千葉県の公立保育園で89名のデータを得た。知的障害児の対象として、東京都や群馬県の特別支援学校6校で計533名のデータを得た。データの収集にあたっては、園長や市の保育所担当課長、校長に承諾を得たのち、検査や質問票への記入に直接あたる関係者に主旨と方法を説明した。また、特別支援学校では保護者会等を通じて保護者にも了解を得た。各施設につき年間数回訪問し、授業や気になる子どもへの支援についての助言や講演を行い、個々の日常行動や集団生活における課題についての情報も収集した。収集した情報の分析結果は、各施設を年度末に訪問して報告した。研究成果は、経過報告として3回の学会発表を行った。 2 教材研究 東京都で2か所、伊勢崎市で1か所に工房を設け、特別支援学校の教員を中心とする「障害児基礎教育研究会」の協力を得て、教材教具を作成した。知的障害や肢体不自由を伴う小・中・高校生を対象に月1回の個別学習の機会をもち、研究協力者らとともに作成した教材・教具を事例に適用し、効果を調べた。また、定型発達児の事例で1歳半から2歳半にかけての記録をとり、教材教具の開発に関してこれまでに得た知見を仮説として、発達の促進にかかわる視点を実践的に検討した。
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Research Products
(6 results)