2009 Fiscal Year Annual Research Report
ベイジアンアプローチに基づくインフラストラクチャーの経済評価
Project/Area Number |
21830115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
宮脇 幸治 National Institute for Environmental Studies, 社会環境システム研究領域, NIESポスドクフェロー (40550249)
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Keywords | 経済統計学 |
Research Abstract |
本年度の研究成果について,研究計画で予定していた,1.逓減型ブロック料金制下の家庭用ガス需要関数の推定,2.幹線鉄道の経済評価,のそれぞれについて記述します. 1.逓減型ブロック料金制下の家庭用ガス需要関数の推定 厳密な経済モデルに基づくベイジアンアプローチによる推定手法を開発しました.計画段階においては,指数関数の単調性を用いた手法を考えていました.しかし,この方法では推定の効率が低いことが分かりました.そのため,凸関数に関する2つの不等式(Hermite-Hadamard integral inequality及びpower-mean inequality)を用いた新しい手法を開発し,この効率を改善しました.そして,開発された手法を用いて逓減型ブロック料金制下の日本の家庭用ガス需要関数の推定を行いました.また,仮想的な料金体系として均一料金体系,使用量によらず一定の単価であるような料金体系,において単価が異なるものを3種類考え,それらの下での経済厚生の変化を分析しました. 2.幹線鉄道の経済評価 文献のサーベイ及び様々な分野の専門との意見交換に基づき,用いる統計的モデルの検討を行いました.その結果,計画段階における統計的モデルではの幹線鉄道経済評価を行うには不十分であることが分かりました.そのため,統計的モデルの修正を行いました.修正されたモデルは,従来のモデルを拡張した新しい統計的モデルとなっています.そして,新しい統計的モデルのベイジアンアプローチによる推定手法を検討しました.また,実証分析で用いる予定のデータの検討を行いました.
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