2010 Fiscal Year Annual Research Report
英領期シンガポールの実質国内総生産水準-日本、台湾、朝鮮、イギリスとの比較
Project/Area Number |
21830131
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
杉本 一郎 創価大学, 経済学部, 准教授 (50546364)
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Keywords | アジア経済史 / 数量経済史 / 英領シンガポール |
Research Abstract |
本研究は申請者が学位論文のなかで取り組んだ「英領期(1900-39,1950-60)シンガポールにおけるGDP推計」の推計結果を活用し、日本、台湾、朝鮮、英国との購買力平価レートを求め、一人当たりの実質民間最終消費支出と実質GDPの国際比較を試みることにある。関心は第2次世界大戦前のシンガポールの一人当たりの実質民間消費と実質GDPが、東アジア諸国や宗主国と比べ、どの水準であったかを明らかにすることにあった。平21年度は、シンガポールの実質GDPをPPP価格に変換するための方法論の習得と、国際比較のために各種必要とされる統計資料の選択と関連統計資料の収集を行った。平22年度では、袁堂軍、深尾京司、馬徳斌による「長期統計における国際比較:1934-36年における日本・台湾・朝鮮の購買力平価と実質消費水準」と"Real GDP in Pre-War East Asia:A 1934-36 Benchmark Purchasing Power Parity Comparison with the U.S."を参考に比較可能な品目を活用して日本、米国とシンガポール間の購買力平価を導き出す作業を行った。平成23年3月7-11日の期間、追加的な資料の収集シンガポールの国立図書館ならびに公文書資料館で行った。今後は現存統計資料の制約を見極め、最適な方法を用いて比較可能な実質民間最終消費支出・実質GDPを導き出す。第一次推計結果をもとにイギリス、オランダ、オーストラリアで同分野の研究者より助言ならびに修正・改良点を求め、より信頼性の高い推計と分析を行う。推計結果は、経済史、経済統計に関連する研究会での発表、国内外の研究誌に投稿する。
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Research Products
(5 results)