2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21830133
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
宇田川 久美子 相模女子大学, 学芸学部, 講師 (90513177)
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Keywords | 特別支援教育 / 幼児教育の特性 / 発達支援 / 関係を軸とした育ち / 一個の主体としての育ち |
Research Abstract |
平成22年度の研究実績の概要について以下のように報告する。 東京都内の公立幼稚園におけるフィールド観察(ほほ月1回のペースで合計11回)、及び、札幌市内の私立幼稚園(異年齢での統合保育)におけるフィールド観察(合計5回)を実施し、エピソード記録、ビデオ記録、行動観察ツールCAVScene記録、デジタルカメラ記録等のデータを収集した。現在、これらのデータに関して「整理・確認」「分析・解釈」を継続して行っている。 また、フィールド先である東京都内の公立幼稚園において、学期ごとに担任教諭、特別支援補助教諭とともに本研究の対象児である発達障害児の発達を支える保育に係る検討会を実施し、その後の保育の指針とした。 そして、平成21年度以前に収集したデータの「整理・確認」「分析・解釈」を実施した。その結果、保育現場における特別支援教育として直接的に障害に焦点をあてて障害の低減、能力の向上を目指すのではなく、幼児教育の特性より障害のある子どもの意味世界を理解し、受け止めることで関係を構築し、その関係構築をベースとして発達支援をしたところ、関係を軸とした一個の主体としての育ちが認められた。具体的にその育ちとは(1)自我の形成(2)集団生活への主体的な参加(3)集団の一員としての自覚の芽生えである。これらの研究の成果について、日本発達心理学会第22回大会、及び、第34回札幌市私保連保育研究大会において発表した。 今後、平成21年から平成22年度にかけて実施した研究を総括して論文を作成し、学会誌(日本保育学会、日本発達心理学会)等への投稿を予定している。
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Research Products
(3 results)