2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21830166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kawaguchi Junior College |
Principal Investigator |
平澤 純子 Kawaguchi Junior College, ビジネス実務学科, 講師 (50517224)
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Keywords | 経営学 / 社会学 |
Research Abstract |
本研究は、整理解雇をめぐる裁判として最も有名な東洋酸素事件を取り上げて、判決と実際の紛争終結内容の乖離、当該紛争が裁判にならざるをえなかった背景、長期化・大規模化した背景を明らかにすることにより、整理解雇を行わなければならない場合、裁判を含む紛争になった場合に経営がとるべき経営社会政策と、そのような経営社会政策に適合する法政策のあり方を考察することを目的とする研究である。 平成21年度は、先行研究の知見を整理する作業を主な課題とした。特に、雇用調整に関する経営実務上の方法論、理念等の変容を整理する作業を中心とし、研究の成果の一つとして、下記の11「研究発表」に記載した拙稿「雇用調整と経営者」を発表した。同稿は、次の2点を明らかにした。(1)これまでの整理解雇をめぐる紛争を検討するに、労使紛争を防ぎつつ雇用調整を実施できるかどうかは、経営者の器量によるところが大きかったと整理できる、(2)とはいえ、「経営者の器量」では運命論になってしまう。これまで指摘されることがなかったが、雇用調整に直面した経営者は紛争を予防、収束させる方法を内密に伝授しているので、これを解明し、体系的に整理する必要がある。(2)に記したことは、今後の雇用調整による社会的損失の出方に直結することであるから、今後も精力的に研究を進めて成果を発表し、少しでも研究助成の恩恵に報いたい。なお、下記11の「研究発表」の図書(共著)2点で発表した原稿は、本研究等を通して、報告者が、雇用に関して経営社会学と法学との間隙にある問題を研究してきたことの副産物として、それぞれの学問分野の初学者に学際的な視座・知見の一端を還元すべく執筆した。
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Research Products
(3 results)