2009 Fiscal Year Annual Research Report
記憶の意図的抑止機能と抑止方略に関する生涯発達心理学的研究
Project/Area Number |
21830170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Shoin Higashi Women's Junior College |
Principal Investigator |
堀田 千絵 Shoin Higashi Women's Junior College, 講師 (00548117)
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Keywords | 記憶の意図的抑止機能 / 抑止方略 / 生涯発逹 / 精神的健康 / 加齢 / 記憶更新能力 / ライフスタイル / ライフイベント |
Research Abstract |
本研究は、不要な記憶を忘却する能力である記憶の意図的抑止能力とそれを可能にする抑止方略が、生涯発達を通じてどのように変化し、さらにこの主の能力が精神的健康の向上に貢献しているのかを一連の研究によって明らかにすることである。一連の研究で明らかにしようとするのは次の3点である。(1)加齢に伴う記憶の意図的抑止機能の低下が精神的健康と密接に関連する。(2)日々のライフスタイルの型やライフイベントの量が多い中高年齢者は、不要な記憶の意図的抑止能力が高く、かつ有効な抑止方略を使用している。(3)意図的抑止を成功させるために使用するべき抑止方略を有効に使用できない多種多様な発達年齢の人々に対し、(1)、(2)の知見を参考に教育的効果をねらう。これらのことを明らかにすることにより、不要な記憶の抑止能力の低下を防ぐ要因を見つけ、生涯発達的な観点から記憶の意図的抑止能力がどのような意味をもたらすのかについて、生涯発達心理学的および教育心理学的な視点から考察したい。本研究では、上記の目的を達成する第一段階として、加齢とともに意図的抑止機能の低下が顕著となり、それが精神的健康に及ぼす影響について検討した。 その結果、加齢とともに不要な記憶の意図的抑止機能は低下した。特に、80代の女性に顕著であり、このことは精神的健康状態の悪化と密接に関連することがわかり、同時に不要な記憶を時間的に近接して知覚する傾向も認められた。今後は、意図的抑止機能の成功に起因する抑止方略の使用頻度とライフスタイルの型やライフイベントの種類を特定し、これらと精神的健康の関連を詳細に吟味していくこと、さらにこれらに関連する認知機能との関連を明らかにする研究が必要である。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] The relationship between the feeling of well-being and the subjective time by forgetting of a negative memory : The influence of aging2010
Author(s)
Hotta, C., Ito, E., Iwahara A., Nagahara, N., HATTA,T., HATTA J, HATTA, T.
Organizer
8 th Tsukuba International Conference on Memory-Perspective on psychology and aging-
Place of Presentation
つくば(日本)
Year and Date
2010-03-30
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