2009 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の生活技術獲得を援助できる保育者育成のための総合的調査研究
Project/Area Number |
21830171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
大和 晴行 Minatogawa College, 幼児教育保育学科, 講師 (70522382)
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Keywords | 幼児 / 生活技術 / 保育者養成 |
Research Abstract |
平成21年度は保育者志望学生の生活技術レベルの実態把握と生活技術に対する学生の意識調査、加えて学生自身がどのように生活技術を教授されてきたか調査を行った。具体的には実態把握は箸使用、鉛筆使用、雑巾絞り、のこぎり使用、花結びについて、実演の様子をビデオ撮影し、映像を見ながら技術レベルを評価した。生活技術に対する意識調査及び、教授家庭の把握は質問紙調査を実施した。結果、現在の保育者志望学生は保育現場でも日常的に幼児が使用する箸や鉛筆、雑巾の技術レベルが低く、正しいやり方が身についている学生が少ないことが明らかとなった。そのため、生活技術の中でも、これら日常的に使用頻度の高い技術を保育者を目指す学生が正しく身につけることができるような実践を今後行う必要がある。次に、学生はのこぎりの使用など、幼児期に刃物を使用することに否定的な認識を示し、一方で、箸、鉛筆、雑巾などの技術は、幼児期から正しいやり方を身につける必要性を感じていることが明らかとなった。また、学生自身の生活技術を教授されてきた過程を検討したところ、雑巾や花結びの正しい技術が身についている学生ほど、幼児期に保育者から教えてもらった経験があり、保育者がこうした生活技術教授に関与することが重要であることが明らかとなった。しかし、さらに検討を深めたが、正しい技術が身についてる者も、その教えられ方は様々であり、正しい技術を身につける上で特に有効と思われる教え方はなかった。これらの結果から、今後、幼児に正しい生活技術獲得を援助できる保育者を育成するには、技術レベルの向上と技術教授に少しでも積極的に関与しようとする姿勢・態度を養う必要性があると考えられる。こうした実践視点を抽出することが本年度のテーマであったため意義があったと考える。平成22年度は、保育者志望学生の生活技術レベル向上のための実践に取り組んでいきたい。
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Research Products
(1 results)