2010 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害者の情報アクセシビリティ向上のための基礎的研究
Project/Area Number |
21830175
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Research Institution | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
Principal Investigator |
打浪 文子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所障害福祉研究部, 流動研究員 (30551585)
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Keywords | 知的障害者 / 情報アクセシビリティ / 障害者福祉 / 社会言語学 / 障害学 |
Research Abstract |
本研究は、今後の情報社会において知的障害者が取り残されることのないよう、彼らが「知る権利」の主体であり「情報保障」の対象であるという視点を確立していくことを目指すものである。平成21年度の知的障害者への情報保障、情報・コミュニケーション支援に関する文献調査をふまえ、平成22年度は知的障害当事者を対象とした質的調査を2つ実施した。 【調査(1)】知的障害者の日常生活における情報媒体・文字情報への接点と接する際の困難の様相、及び知的障害者の「わかりやすい」情報提供へのニーズの詳細を明らかにするために、平成22年4~10月にかけて知的障害当事者17名に各1~2時間程度、半構造化面接法による聞き取り調査を実施した。調査対象者は20歳以上の軽~中度の知的障害者で日常生活に必要な文字の読み書きを可能とする者、かつ本人活動やその他の当事者活動の経験がある者(当事者意識を持ち、積極的に発言する機会の多い人々)とした。具体的な調査内容は、1)年齢・性別・障害等級の確認、2)就労時/家庭生活時/余暇時における文字情報・情報媒体の利用機会、及びその際の具体的困難について、3)情報への興味・関心、普段接するメディアについて、4)日本語表記のわかりやすさについて、である。 【調査(2)】時事情報への興味関心、及び時事情報等に接する際の理解にどのような困難があるのか、の2点を明らかにするため、平成22年4月~12月にかけて、知的障害当事者5~10名が編集委員・オブザーバーを務める、知的障害者へのわかりやすい情報提供を目的とした当事者向けの新聞「ステージ」(全日本手をつなぐ育成会/季刊)発行のために行われている編集会議を録音し、発話内容を抽出した。 これらの調査結果については現在分析中であり、平成23~24年度中に知的障害・障害者福祉に関連する学会にて成果報告を行った後、論文化する予定である。
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Research Products
(1 results)