2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 知真 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (40548187)
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Keywords | p進表現 / p進微分方程式 / p進Hodge理論 |
Research Abstract |
本年度は昨年度と同様に,p進微分作用素の研究を引き続き行った.ここ数年来,底空間が高次元なときのp進Hodge理論の研究を行ってきたが,そこでの主な手法は古典的な複素代数幾何学におけるGauss-Manin接続とよく似た性質をもつ微分作用素をうまく利用するというものであった.Gauss-Manin接続を使った理論において,特に重要なのはこれらがGriffithsによる横断性を満たすことである.こうしたなか,本年度はまず、この微分作用素を用いて得られた結果の論文が, Ann.Sci.Ec.Norm.Super.で出版された.また,投稿中の自身の結果と併せることによって,L.Bergerのde Rham表現とpotentially semi-stable表現が同値であるということが高次元でも成立することを示せていることになる.さらには,p進体上の比較的良い退化をもつ代数多様体Xを整数環のSpec上の族と捉えて,上記の底空間が高次元なときのp進Hodge理論において得られて結果の類似を辿ることによって,新たに微分作用素を定義し,いくつかの良い性質(特に重要なのはGriffithsによる横断性の類似)を満たすことを示した論文は引き続き投稿中である.また,3月の末にアメリカのプリンストン高等研究所で行われた数論幾何の研究集会には世界中の著名な数学者たちがあつまり,その雰囲気を肌で感じることができたことは大きな収穫であった
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