2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
任 皓駿 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 助教 (10538177)
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Keywords | 強相関電子 / 電子構造 |
Research Abstract |
金属中の電子の局在化は強相関電子系の特徴的な現象であり、磁性、量子臨界、重い電子などの新奇な物性の原因になっている。その強相関電子の局在化の機構を電子構造の立場から朋らかにするため、電子の性質が局在から遍歴まで転移する「Ce希薄化合物系」と「Ag(111)上のCo吸着系」との二つのシステムを光電子分光を用いて系統的に研究することを目的とする。本年度の研究では、Ce希薄化合物系における共鳴光電子分光を放射光利用施設で行った。その結果、Ce凝縮の状態どCe希薄の状態の両方とも、大きな近藤共鳴ピークがフェルミ順位の近傍で形成される事が分かった。これは、Ceの希薄の状態でも、Ce4f電子と伝導電子の混成が強い事を示し、強相関電子の局在化の機構を理解する事で重要な情報に文る。現在、その結果をまとめ、学会の発表及び論文の投稿を準備している。また、Ag(111)上のCo吸着系の光電子分光の測定をより効率的に行うため、資料準備所のポータブルチャンバを開発した。その後、実験室で、表面処理及び吸着条件を捜した。得られた表面作成条件は、平成22年度、放射光利用施設を用いた光電子分光の実験に利用される計画である。実験と並行して、電子構造(分散やフェルミ面)を理論的に理解するため、商用のWIEN2Kコードを利用して、Ce希薄化合物のバンド計算を行っている。これは、実験と理論計算を同時にする事で、強相関電子の振る舞いの理解を深めると期待される。
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Research Products
(2 results)