2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北野 龍一郎 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50543451)
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Keywords | 素粒子論 |
Research Abstract |
本研究では、超対称性模型においてヒッグス粒子がどのように超対称性の破れと結合するかに着目して、新しい可能性を探り、そのLHC実験などでの探索・検証方法を考察した。特に、ヒッグス粒子が超対称性の破れと直接結合している可能性に着目し、その低エネルギー有効理論の構築を行った。特に、超空間上にミンコフスキー空間を埋め込み、その部分空間上にヒッグス場を導入する定式化に成功し、この方法により、ヒッグス場が超対称変換に対して非線形に変換するようなラグランジアンの構成法が定式化された。 さらに、LHC実験において、超対称の破れのセクターを直接観測する可能性を議論し、隠れた重力模型を構築した。これは、超空間上に埋め込んだミンコフスキー空間に計量を導入することにより、超対称不変に自然に構成された。また、これはカイラルラグランジアンにおけるrho中間子の導入方法の一般化されたものである。LHC実験における生成断面積を計算し、その発見可能性を議論した。 これらは、いままでの超対称模型の構築法と異なる、低エネルギー有効理論からのアプローチで、今まで考えられていなかったシグナルや質量パターンが実現されるユニークな試みである。特に、隠れた重力模型は超対称性の破れのミクロな模型の構築なしに、シグナルを議論でき有用である。当然、有効理論なので、ミクロな模型とのマッチングも可能で、実際に発見されれば有用なツールとなる。 これらの研究成果をまとめて、論文にまとめて、JHEP誌に投稿し掲載された。また、名古屋大学で行われた国際会議、SCGT09で発表した。
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