2009 Fiscal Year Annual Research Report
放物型誘導表現を中心とした実半単純リー群の表現論の研究
Project/Area Number |
21840016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 紀行 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特任助教 (00553629)
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Keywords | 半単純Lie群 / 放物型誘導表現 / Jacquet加群 |
Research Abstract |
Jacquet加群はねじれた一般Verma加群による拡大を持つ.一方,変形されたVerma加群の拡大により得られる加群に関しては,Fiebigによるmoment graphの理論により記述することができる.平成21年度は,このmoment graphの理論を一般化し,変形されたJacquet加群を記述する枠組みを確立することを試みた.しかし,その研究の仮定で変形されていないJacquet加群を記述する枠組みを確立することができる可能性に気がついたため,研究の方向性を変更し,そのような枠組みを確立することを目標とした.知りたいものは変形されていないJacquet加群そのものであるため,そちらが直接記述できればその方が応用の幅も広がる. この場合,変形されたものには現れないねじれた一般Verma加群の間の準同型や拡大が現れるため,状況はややこしくなる.一方,Jacquet加群は変形を持つことから,必要な準同型や拡大は変形されたものからくるもののみであるはずである.変形されているものはmemont graphの理論で扱えることから,変形からくるもののみに注意すれば状況はそう難しくないであろう.そこで,平成21年度は変形されたものからくる拡大をそれ以外と分けることとを試みた.その結果,二つのVerma加群の間の拡大を特別なVerma加群の間と比較することにより変形からくる拡大を分離することができること,及びそのような拡大がどのくらいあるかを決定することができた.しかし,その結果を用いてmoment graphの理論の変形されていない場合の類似を確立することはできず,一般化されたねじれたVerma加群の場合への一般化もあわせて,平成22年度への課題である.
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Research Products
(1 results)