2009 Fiscal Year Annual Research Report
断層のDcを決めるものは何か?~高速度カメラを用いた粉体剪断層可視化による解明~
Project/Area Number |
21840022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑野 修 The University of Tokyo, 地震研究所, 特任研究員 (30511969)
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Keywords | 粉体 / 摩擦 / 断層 / 地震 / 室内実験 |
Research Abstract |
本研究では高速度カメラを用いた粉体剪断層の可視化により、粉体の弱化距離すなわちDcを支配する具体的な物理メカニズムの解明を目指す。これまで地球に対してリアリスティックな物質を用いての実験が行なわれていたがDcを支配する物理が何十年も明らかになっていなかった。そこで、物質依存ではなく粉体であることに起因した、Dcを支配する普遍的なメカニズムの解明に焦点を当て、あえて単純な球状粒子(具体的にはガラスビーズなど)を用いて実験を行う。平成21年度は高速度ビデオカメラを用いたその場観察と画像解析システムの構築を行なった。剪断速度を10μm/s~3m/sという幅広いレンジでの実験で画像解析を行った結果、剪断されている粉体層内部の平均速度分布の形状は全ての速度で同一であることが分かった。また定常状態の粉体摩擦が低速域での速度の対数に比例した速度弱化から高速域でのベキ的な強い速度強化ヘクロスオーバーすることが観察された。後者のベキ的速度強化に関してはHatano(2007,PhysRevE)による粉体の数値シミュレーションで発見されたベキ的摩擦法則によく一致する。このことから実験でみられた粉体の高速摩擦は多体系のダイナミクスが支配する現象であることが分かった。これらの結果はAmerican Geophysical Union, Fall Meetingで発表した。
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