2009 Fiscal Year Annual Research Report
中性子ビーム有効利用のための高圧下X線構造解析装置の開発
Project/Area Number |
21840024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 一生 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特任講師 (50541942)
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Keywords | 高圧下X線回折 / 中性子回折 |
Research Abstract |
2009年度の主な成果は、微小焦点高輝度X線回折装置を用いて、高圧下での粉末・単結晶試料からのX線回折から構造解析が可能になったことである。高圧下でのX線回折測定は、従来、放射光施設などの強力なX線源が必要不可欠であり、ビームタイムによる実験の制約があったが、本手法によって、実験室でいつでも高圧下X線回折が行える環境が整った。この成果は、微小焦点X線源と共焦点ミラーによって高輝度X線が得られる、という技術的革新の上になりたっているものの、実際には放射光に比べて指向性が悪い、波長が比較的長い、等の細かな問題が数多くあり、それらを一つ一つ解決する作業が2009年度の主な仕事であった。 本装置を用いて、すでにある種の有機物や層状化合物の新規高圧相の発見に成功しており、現在その成果をまとめている段階である。また、現在低温高圧下でX線回折実験が行えるよう、装置開発を進めている。本装置が完成することで、限られた中性子ビームタイムを有効に利用するための多様な予備実験が可能になると期待される。
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