2010 Fiscal Year Annual Research Report
カイラル動力学に基づいたエキゾチックなハドロン共鳴状態の研究
Project/Area Number |
21840026
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
兵藤 哲雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特任助教 (60539823)
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Keywords | ハドロン分光学 / カイラル対称性 / 共鳴状態の構造 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究では、強い相互作用をする粒子であるハドロンの示す多様な物理を、構造の特異なエキゾチック状態に注目し、カイラル対称性に基づいた動力学的手法を用いて解析する。今年度は、以下の3つのテーマについて研究を行い、ハドロンの内部構造の解明と、その実験による観測の可能性を議論してきた。 1)Λ(1405)共鳴の電磁気的形状因子の評価:Λ(1405)共鳴は発見から50年が過ぎた現在でもその構造が完全に理解されていない奇妙な粒子である。粒子の構造の基本的な性質である電磁気的形状因子をカイラル動力学に基づいて評価し、Λ(1405)共鳴が、通常の3クォークバリオンに比べて空間的に広がった構造を持っていることを明らかにした。 2)Λ*N相互作用と束縛状態の研究:原子核中でのΛ*=Λ(1405)の性質は、K中間子原子核との関連で盛んに議論されている。この応用において最も基本となるΛ*と核子の相互作用をメソン交換描像で構築した。Λ*に関する結合定数はカイラル動力学に基づいて決定した。相互作用が引力的であること、および束縛状態が存在することを示した。 3)重イオン衝突でのハドロン構造の研究:重イオン衝突での粒子生成におけるコアレッセンス機構に注目し、生成されたハドロンのクォーク構成やハドロン分子的構造と生成量に関係がっくことを示した。また同時に、理論的に存在が予言されている他クォーク状態の生成量が、LHC実験で観測するに十分な量生成されることを示し、将来的な新粒子発見の可能性を示した。
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[Journal Article] Exotics from Heavy Ion Collisions
Author(s)
Akira Ohnishi, Sungtae Cho, Takenori Furumoto, Tetsuo Hyodo, Daisuke Jido, Che Ming Ko, Su Houng Lee, Marina Nielsen, Takayasu Sekihara, Shigehiro Yasui, Koichi Yazaki
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Journal Title
AIP Conf.Proc.
Volume: (In press)
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