2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五味 清紀 Kyoto University, 理学研究科, 特定准教授(GCOE) (00543109)
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Keywords | 位相的量子場の理論 / 幾何的量子化 / Chern-Simons理論 / gerbe / twisted K-theory |
Research Abstract |
当該年度の研究成果は以下のとおりである. 1. 同変な捻じられたK群の有限次元的な実現 これまでの私の研究で,(同変ではない)捻じられたK群は,振じられたHermite一般ベクトル束によって,有限次元的に実現することができるとわかっていた.これを推し進めて,コンパクトLie群作用がある空間で,並行する結果を得た.これは,当該年度に予定されていた研究成果であり,本研究の目標である,幾何的量子化の圏化の基礎となる部分に寄与する結果である. 2. 捩じられたHermite一般ベクトル束に対するChern-Weil構成 これは寺嶋郁二氏(東工大)との共同研究の結果である.捩じられたHemlite一般ベクトル束に対して,接続の概念を導入した.さらにそれを用いて,捩じられたK群のChern指標とChem類を書き下した.この結果により,捩じられたHermite一般ベクトル束とその接続が具体的に与えられれば,それが代表する捩じられたK群のChern指標やChern類を代表する微分形式を実際に書き下すことができるようになった.これまで知られていた方法は,我々のものより抽象的な方法だったため,そのようなことは難しかった. 3. 捩じられたK理論の普遍Chern類のなす環の基底の記述 捻じられたK理論の普遍Chern類のなす環は,AtiyahとSegalによって可算個変数の多項式環のある部分環として記述された.その定義自体は極めて簡単であるにも関わらず,この環については,それが多項式環ではないということ以外,殆ど何もわかっていなかった,当該年度私はこの環の加法的な基底を与え,それらについて環の積構造の構造定数を与えることができた.この基底は,普遍Chern類のなす環を調べるための足がかりを与えている.例えば,代数的な関係式が現れるのは次数12からであることなどがわかる.
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