2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840036
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
水野 義紀 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (30546388)
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Keywords | ジーゲル・アイゼンシュタイン級数 / ケッヒャー・マース級数 / マース形式 / テータリフト / カトック・サルナック対応 / 類数 / 二次形式 |
Research Abstract |
1.n次元双曲空間のアイゼンシュタイン級数に対するカトック・サルナック対応について以下の進展があった。n次元双曲空間におけるCM点にわたってアイゼンシュタイン級数の平均を取ると、それは二次合同式のデンリクレ級数で表示できることがわかった。2次元、3次元における結果と、概均質ベクトル空間の理論もふまえると、これら平均値が適当なレベルのモジュラー形式のフーリエ係数であろうことが期待できる。 2.非正則ジーゲル・アイゼンシュタイン級数に付随するディリクレ級数について以下の結果を得た。次数2かつ重さ2の場合に、不定値フーリエ係数に付随するディリクレ級数の全複素平面への解析接続および関数等式を得ることができた。次数2の病理的とされる取り扱いが難しい場合であったが、今回の重さ2の時の解決により一般重さの場合を解決する第一歩が踏み出せた。このデイリクレ級数を明示的に書き下せば、それは不定値二元二次形式の類数の二乗を係数に含むディリクレ級数である(二元二次形式の類数を係数に持つ新谷ゼータの類似物)。それ故、得られた結果は類数の二乗平均値への応用など算術的側面からも興味あるものである.これらの研究をRIMS研究集会において発表した。また論文原稿を作成し学術誌に投稿した。査読報告に従い改訂中である。 3.以前からのRoland Matthes氏との研究、すなわち3次元上半空間のマース形式に対するカトック・サルナック対応についての論文がForum Mathematicum誌に受理された。また、現れる比例定数を確定することができた。 4.以前、桂田英典氏と行ったデイリクレ指標で捻ったケッヒャー・マース級数の明示式とその応用についての論文がJournal of the London Mathematical Society誌に受理された。
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Research Products
(3 results)