2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
桑山 靖弘 Ehime University, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (00554015)
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Keywords | 超高圧 / 相平衡 / 地球中心核 / 鉄合金 / ダイヤモンドアンビルセル |
Research Abstract |
地球の中心を構成する内核(深さ5150~6370km)は数パーセントの軽元素を含む固体の鉄-ニッケル合金でできていると考えられている。内核中の軽元素の候補として、水素・炭素・酸素・珪素・硫黄などが考えられるが、どの元素がどのくらい含まれているかについてはまったくわかっていない。内核の構造とそこで起こっている現象を理解するためには、まず内核の化学組成を知ることが重要である。内核は、外核の液体金属が冷却固化することにより形成される。従って、内核の組成を決定するためには、まず第一に、内核の圧力温度条件における鉄-ニッケル-軽元素合金の相平衡関係の理解が必要不可欠である。しかし、内核は330~364万気圧という超高圧下にある。200万気圧を超える超高圧下での高圧高温実験は技術的に非常に難しく、そのため、このような超高圧下での鉄-ニッケル-軽元素合金の相平衡関係はまったくわかっていない。本研究では、レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルを用いて鉄-ニッケル合金及び鉄-珪素合金の相平衡実験を250万気圧3500度までおの圧力温度範囲で行ない、それぞれの物質の高圧相平衡関係を決定した。その結果から、内核の成分を第一近似的に鉄,ニッケル,珪素の三元素のみからなると仮定した場合、内核物質の結晶構造は六方細密構造である可能性が非常に高いことが明らかになった。この結果は、国際誌Physic and Chemistry of Minerals及び国際学会AGU Fall Meetingにおいて発表された。
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