2009 Fiscal Year Annual Research Report
ディラック作用素の摂動によるリーマン・ロッホ数の局所化とその応用
Project/Area Number |
21840045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
藤田 玄 Gakushuin University, 理学部, 助教 (50512159)
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Keywords | ディラック作用素 / 指数理論 / 局所化 / トーラス束 / 幾何学的量子化 |
Research Abstract |
ディラック作用素の指数の局所化現象をとらえるための幾何構造の定式化を行い、その構造を舞台として指数の局所化現象を示した。より正確には、端においてその幾何構造を許容する開多様体上で、変形不変性・切除性などの位相的性質をもつ指数を定義する枠組みを与えた。それらの位相的な性質から閉多様体上の指数の局所化が得られる。これは前年度までに得られていた指数の局所化を精密にしたものである。すなわち、昨年度までの定式化においては(見かけ上)指数に寄与するようにみえた部分からも実際には寄与しないことが帰結される。構造の定義にはいくつかのversionがある。もっとも一般的なものはやや複雑な形であるが、積に関してとじた構造でありそれを用いることで開多様体上の指数の積公式が得られる。応用としてハミルトニアントーラス作用をもつシンプレクティック多様体のリーマン・ロッホ数の局所化がわかる。さらに、4次元局所トーリックラグランジアンファイバー束の場合に、積公式を応用し局所的な寄与を計算することでリーマン・ロッホ数がボーア・ゾンマーフェルトファイバーの個数に一致することがわかった。以上の結果を古田幹雄氏(東大数理)・吉田尚彦氏(明治理工)との共同研究として論文にまとめた。 また、上記の一般論をリーマン面上の平坦接続のモジュライ空間やトーラス作用に関する量子化予想に応用するための準備を開始し、来年度以降の研究基盤の整備をした。
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Research Products
(2 results)