2010 Fiscal Year Annual Research Report
ディラック作用素の摂動によるリーマン・ロッホ数の局所化とその応用
Project/Area Number |
21840045
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
藤田 玄 学習院大学, 理学部, 助教 (50512159)
|
Keywords | ディラック作用素 / 指数理論 / 局所化 / トーラス束 / 幾何学的量子化 |
Research Abstract |
今年度は昨年度構築したトーラス束によるDirac型作用素の指数の局所化の理論の応用として、以下の2つの問題を研究した。1.Guillemin-Sternbergによる量子化予想: トーラス作用の場合の証明を与えることができた。本質的な証明は1次元トーラスの場合に行い一般の塲合はトーラスの次元に関する帰納法を用いる必要があるが、我々の証明はこれまでに知られている証明以上に予想の幾何学的な描像から見て自然なものである。この結果を古田幹雄氏(東大数理)・吉田尚彦氏(明治理工)との共著として論文にまとめ学術雑誌に投稿した。 2.Riemann面上の平坦接続のモジュライ空間の幾何学的量子化: Goldmanの構成したモジュライ空間上の完全可積分系を用い、Verlinde公式に関するJeffrey-Weitsmanの結果の指数の局所化の観点からの再証明を試みたが、決定的な結果は得られなかった。しかしながら研究協力者たちとの議論によりいくつかの問題点が浮き彫りとなり、理論をさらに精密にかつ応用のきく形で一般化する必要があるとの認識に至った。議論の中で、球面の測地流による局所化された指数の計算例が得られ、またトーリック多様体に対するDanilovの定理の局所化の立場からの証明が得られた。 また、これまで知られているコホモロジカル/コボルディズム的/解析的な局所化との関係を探った。関係が統一的に理解されるには至らなかったが、具体例の計算を比較することにより、Tian-Zhang, Bravermanらの解析的な局所化との差異が観察された。
|
Research Products
(4 results)