2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21840046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
石村 光資郎 Toyo University, 総合情報学部, 講師 (50553830)
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Keywords | エルゴード理論 / 区間交換変換 / Negative Slope algorithm |
Research Abstract |
報告者は4区間交換変換について、先行研究からも知られているようにRauzy inductionを繰り返しほどこすと、あるダイアグラムが完成することを確かめた。このとき、ある周期的なパスを1つ選択し、その表現行列がPisot条件を満たすようなものを探したが、うまく見つけることはできなかった。その中で、Pisot条件に一番近い条件を満たす周期的なパスを1つ固定し、表現行列のincidence matrixからsubstitutionを不動点をもつように構成し、4文字からなるsubstitutionに対して不動点となる点列を作り、それによって得られるn次元上の点の集合を構成した。その集合の各点を、incidence matrixの最小固有値の固有ベクトル方向に垂直な平面上に射影したところ、ひと続きのジグザグの線分が現れた。さらにこの線分は4つの交わらない線分の和集合となっていることも確かめられた。しかしながら、induced transformationの構成には至らなかった。 報告者は学会活動として、Workshop「数論とエルゴード理論」を伊藤俊次氏の平成19年度科学研究費補助金基盤研究(B)「準周期タイリングの数理とその応用」(代表者金沢大学大学院自然科学研究科伊藤俊次)とともに2010年3月6日及び7日に開催した。その中で、報告者は「A constructon of the dimension group of degree 3」というタイトルで講演を行い、日本大学文理学部上席研究員田村純一氏、文京学院大学湯浅久利氏および東京大学大学院特任研究員中石健太郎氏を同Workshopに招聘し、講演をしていただいた。報告者は講演の中で、これまで先行研究においてはほとんど存在しない、ランク3の次元群の具体例について発表した。次元群としてどんなものがあるか具体例を構成することは、この研究分野に大きな貢献ができることが期待される。
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