2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840050
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
澤井 秀朋 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (70514199)
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Keywords | 宇宙物理 / 超新星 / 磁場 / 不安定成長 / 電気抵抗 / 磁気流体力学 / 数値計算 |
Research Abstract |
本研究計画の目的は、重力崩壊型超新星爆発における磁場の役割、なかでも磁気流体不安定の役割を調べることであった。超新星コアで主に起こると考えられている磁気流体不安定は磁気回転不安定と対流不安定である。重力崩壊方超新星における磁場の働きは過去数年間盛んに調べられてきたが、上記の磁気流体不安定がダイナミクスに与える影響はほとんど調べられていない。 当初は磁気流体不安定の成長過程を含めて数値計算で追うつもりであった。しかし、それに伴う技術的困難を期間内に克服することは難しいと判断し、磁気流体不安定は起こっているものと仮定した上で、それから予想されるダイナミクスへのフィードバックを計算に取り込む方法をとった。磁気流体不安定はその飽和状態で乱流になると予想され、それはグローバルなダイナミクスに対し乱流応力、乱流粘性、乱流磁気散逸の形でフィードバックを与える。本研究では初期強磁場の枠組みで磁気流体不安定の果たす役割を調べることにし、その状況下でもっとも重要と思われる乱流磁気散逸の効果を計算に取り込むことにした。 2次元軸対称の抵抗磁気流体計算を行い、乱流磁気散逸は磁気回転不安定や対流不安定の飽和状態から見積もられる値の範囲でパラメタとして与えた。また、初期磁場や回転の与え方もパラメタとし、複数のモデル計算を行った。 計算の結果、初期条件によって磁気散逸は爆発に有利にも不利にも働くことがわかった。例えば回転の強いモデルでは、磁気散逸が回転エネルギーから爆発のエネルギーへの変換を妨げ、爆発は弱くなった。一方、無回転でポロイダル磁場のみが存在するモデルでは、磁場は爆発を弱める方向に働くため、磁気散逸によって爆発が強くなることがわかった。
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Research Products
(4 results)