2010 Fiscal Year Annual Research Report
超新星爆発・ガンマ線バーストの爆発機構および初期宇宙・遠方宇宙の研究
Project/Area Number |
21840055
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
冨永 望 甲南大学, 理工学部, 講師 (00550279)
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Keywords | 超新星爆発 / ガンマ線バースト / 元素合成 / 第一世代星 / 可視光・赤外線観測 |
Research Abstract |
本研究課題では、ガンマ線バースト・(極)超新星の発生機構の本質、またそれらを用いて第一世代星や宇宙の化学進化を理解することを目的として研究活動を行っている。 本年度は特に以下のような研究を行った。 1.II型超新星のShock breakoutの多色光度曲線の理論予言の提出 我々は、多色輻射流体計算コードSTELLAを用いて、厚い水素層を持つ赤色超巨星の起こすII型超新星爆発の光度曲線を計算した。星の進化に基づいた親星モデルを用いて理論予言を提出したのは初めてであり、その明るさが非常に明るく、赤方偏移1を超える遠方でも観測可能であることを示した。また、様々な質量の星について光度曲線を提出し、星の質量が大きいほど星の半径が大きく、shock breakoutが赤くなるため観測しやすいことを示した。 2.Shock bfeakoutを用いた遠方宇宙探査の提案 上記研究に基づき、星の初期質量関数や母銀河や銀河間空間による減光を加味し、現存の観測装置、観測プロジェクト、および将来計画されている観測装置、観測プロジェクトで、実際にどれだけの数のShock breakoutが検出可能であるかを見積もった。その結果、日本のすばる望遠鏡を用いた観測が最も効率的であることが明らかとなった。そのため、すばる望遠鏡を用いた具体的な観測計画を提案し、すばる望遠鏡の次世代装置であるHyper Suprime-Camを用いた大規模観測計画の一員として検討を進めた。
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