2009 Fiscal Year Annual Research Report
無衝突磁気リコネクションにともなう3次元磁気拡散機構の解明
Project/Area Number |
21840061
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤本 桂三 The Institute of Physical and Chemical Research, 戎崎計算宇宙物理研究室, 基礎科学特別研究員 (90553800)
|
Keywords | 磁気リコネクション / PICシミュレーション / 適合細分化格子(AMR) / 超並列計算 / 磁気拡散過程 / 3次元シミュレーション |
Research Abstract |
我々は、これまで、PIC(Particle-In-Cell)法をもちいた従来の電磁粒子コードに適合細分化格子(AMR : Adaptive Mesh Refinement)を適用した新しい粒子コード(AMR-PICコード)の開発を独自におこなってきた。本研究では、AMR-PICコードをMPI(Message-Passing Interface)とOpenMPをもちいて超並列化し、大規模な3次元粒子シミュレーションを実施することによって、無衝突磁気リコネクションにともなう3次元的な磁気拡散機構を解明することを目的としている。 本年度は、その準備段階として、グローバルな演算を含まないAMR-PICコードを開発した。これまでのAMR-PICコードでは、局所的な電荷保存を維持するためにポアソン方程式を解く必要があった。しかし、ポアソン方程式はグローバルな演算を含むため、効率的な超並列計算を実現する上で障壁となる。そこで、本研究では、電荷保存法をもちいることによってグローバルな演算を一切含まない差分方程式系を構築した。また、PICコードにAMRを適用する際には、できるだけ短波長のモードを減衰させ、細分化領域境界における波の反射を抑える必要がある。我々は、方程式系に適当なスムージング効果を加えることによって数値的安定性を維持することに成功した。開発したAMR-PICコードは静電波(ラングミュア波)と電磁波(正常波)に対して検証をおこない、波動が境界を横切って適切に伝播することを確かめた。今後は、本コードを超並列化し、磁気リコネクションの大規模な3次元シミュレーションを実施する。
|