2010 Fiscal Year Annual Research Report
海大陸におけるモンスーンコールドサージに伴う日変化降水系の発達過程
Project/Area Number |
21840065
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
服部 美紀 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, ポストドクトラル研究員 (50533519)
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Keywords | 気象学 / モンスーン / 降水 |
Research Abstract |
冬季アジアモンスーンのコールドサージ発生に伴う海大陸域における日変化降水系の発達過程を明らかにするため,本年度は主として,(1)海大陸域における赤道越え北風サージと降水量分布の関係に関する論文の執筆・投稿,(2)ベトナム-フィリピン集中観測の実施,(3)2010年1-2月に実施した海大陸域における日変化降水系の予報実験結果を用いた解析を行った. (1) 主に平成21年度に行った,赤道越え北風サージの発生環境と赤道海大陸域における降水量分布の違いに関する研究成果をまとめて,Journal of the Meteorological Society of Japanへ投稿し掲載された.これまで調べられていない赤道以南の降水分布との対応が示された. (2) 所属機関において2010年9月~2011年1月の間ベトナム,フィリピンにおけるゾンデ集中観測を実施し,現業観測の少ないコールドサージ南下域における観測データを取得した.また,気象庁非静力学モデル(NHM)を用いて,集中観測に同期したフィリピン-ベトナム域の降水予報実験を行うことで,コールドサージの南下域における降水系の発達過程を捉える研究を行った. (3) 2010年1-2月に実施した海大陸域における日変化降水系の予報実験結果と,衛星による降水量データを用いて,赤道越え北風サージ発生時の海大陸域における時刻別降水量分布の変化に関する研究を行った.局地的な日周期現象と大規模現象との関係解明に繋がる重要なテーマである.その他,ベトナム・フィリピンの集中観測で得られたゾンデデータを用いて,観測データ同化インパクト実験を行うためのデータ整備を行った.インパクト実験は2011年4月以降の実施となるが,観測とモデルの融合による最適な観測システムの開発研究に貢献する.
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