2009 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア多島海における海面水温の変動メカニズム
Project/Area Number |
21840066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
木田 新一郎 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球シミュレータセンター, 研究員 (50543229)
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Keywords | 海洋物理学 / 気候変動 |
Research Abstract |
本年度は、海洋研究開発機構で開発された大気海洋結合モデル、MSSG(Multi-Scale Simulation for the Geoenvironment)、の海洋モデル部分を用いて、インドネシア多島海上での海面水温が季節変動する基本物理過程をより忠実に再現できる「インドネシア多島海・理想領域モデル」をまず構築した。過去に使用したインドネシア多島海の理想モデルに欠けていた以下の二つの物理過程を導入し、外洋、潮汐の効果を検証出来るようにした。 (1)オフラインで用いる開側面境界条件をモデルに導入した。これにより領域モデルのみで外洋起因のものと、局地的な効果によるものとを別々に検証することが可能になった。 (2)浅い海域での潮汐混合パラメタリゼーションを導入した。潮汐混合による海底摩擦層の厚さ分だけ、鉛直拡散、粘性係数を高めるようにした。これにより、深い海域のみではなく浅い海域で起こる潮汐による効果の検証が可能になった。 上記のモデルを用いて、理想領域モデルに太平洋、インド洋からの流出入を開境界条件として導入し、インドネシア通過流の流量、鉛直構造、季節変動などに対するインドネシア多島海の海面水温の感度実験を行った。その結果、インドネシア通過流通過流が主に夏季の海面水温構造を決める重要な役目を持っていることがわかった。また冬季の海面水温構造には主要な役目を果たさないことも確認された。 さらに次年度に行う予定の現実的な海底地形、大気強制を用いるモデル構築の準備として、パーシャルセルをMSSGの鉛直座標に導入した。これによりインドネシア海域の複雑な海底地形とその効果をかなり忠実に再現できるようになった。
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Research Products
(2 results)