2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21840067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
柵山 徹也 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部ダイナミクス領域, ポストドクトラル研究員 (80553081)
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Keywords | 背弧域火成活動 / アルカリ玄武岩 / 東北アジア / 上部マントル融解 / 熱・物質循環プロセス / 沈み込みスラブ / 減圧融解 / 時間空間変化 |
Research Abstract |
中国東北部の玄武岩活動は九州よりも高温のマントル上昇による可能性があることが、東北アジア一帯に分布する新生代火山活動に関する膨大な数の文献資料をコンパイルデータから新たに分かった。しかしその可能性はマグマ中の含水量やマントルの枯渇度合いに応じて違う解釈も可能である。それを確かめるためには大量に出されている全岩の同位体比や微量元素データのみならず、岩石記載および鉱物分析値も含めた包括的なデータの検討が必要不可欠であるが、そのような包括的なデータセットはいまだに乏しかった。そこで東北アジア一帯における海洋プレート沈み込みに伴う上部マントル中の熱・物質循環プロセスを包括的に理解するために、中でも最も重要であると考えられる中国山東半島一帯の新生代火山岩および五島列島・福江島周辺のサンプル採取を行った。風化の度合いが弱く分析に適した玄武岩試料、基盤を構成していると考えられる花崗岩・変成岩、およびカンラン岩ゼノリスなどを多数採取することができた。当該年度以前に採取した韓国・全谷里玄武岩、共同研究者によって採取済みの中国Hannuoba火山およびWeichang火山、および本年度採取した試料の分析は当該年度から開始している。 九州および韓国の玄武岩試料に関しては分析が終了し、それによると九州下では距離の近いフィリピン海プレートよりも、離れた太平洋プレートからの流体の影響の方がより強いことを明らかにした。また韓国・全谷里玄武岩活動をもたらしたマントルは九州下よりも低温だった可能性があることを明らかにした。今後の一連の全岩・鉱物分析によってマグマの分化課程や含水量などを見積もることで、上記の課題に関して強い制約が次年度には与えることができると期待できる。
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Research Products
(7 results)