2009 Fiscal Year Annual Research Report
かんらん岩融解過程における白金族元素の挙動と始原的マントル存在度の再検討
Project/Area Number |
21840068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
石川 晃 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (20524507)
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Keywords | 岩石・鉱物・鉱床学 / 地球化学 / 地殻・マントル物質 / 白金族元素 |
Research Abstract |
平成21年度の主な研究計画は(1)白金族元素濃度の高精度・高確度データの簡易ルーチン分析手法を確立すること,(2)既に入手済みであった大西洋中央海嶺掘削試料、東太平洋海膨掘削試料の粉末試料の作成、岩石記載、主要元素-硫黄濃度測定を行い、マントルの融解に伴う白金族元素の挙動を理解する上での基礎的データを取得することであった。(1)に関しては,JAMSTEC鈴木博士の研究室において「カリアスチューブ法」による試料の酸分解法を習得し、その結果「カリアスチューブ法」で高温(>240度)分解を達成するのは、耐圧容器を利用した場合でもチューブが破裂する確率が非常に高く、試料回収が困難であることがわかった。また「マイクロウェーブ法」を用いた実験では、圧力調整が厳密に行えるため、~260度までの高温分解を比較的簡便に達成できることが判明した。一方で、2010年2-3月にかけてイギリス・ダラム大学のPearson、G.教授の研究室を訪問し,「高温高圧灰化法」による酸分解で得られているデータとの比較をするために、両研究室のスパイク濃度をキャリブレーションする実験を主に行った。現在、上記3手法の実験結果から迅速且つ精度・確度とも良好な分解条件を求める作業を行っている。(2)に関しては,岩石薄片試料の作成・観察および,粉末試料の調製がほぼ終了した。また硫黄濃度分析に関しては、2010年1月と3月に筑波大学を訪問し,標準試料の繰り返し分析により測定ルーチンが確立した。従って、平成22年度から実際の試料に対する様々な化学分析に移行する予定である。
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