2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21850001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角山 寛規 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 助教 (40390661)
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Keywords | 有機保護金クラスター / ポリビニルピロリドン / 魔法数 / アルコール酸化 / 空気酸化反応 / 電子殻モデル |
Research Abstract |
1~2nm領域のポリマー保護金クラスターをこれまで開発してきたバッチ混合法およびマイクロミキサー法によってサイズ選択的に調製した。これらクラスターのサイズをMALDI質量分析によって原子数レベルで評価した結果、35,43,58,70,110,130,150量体といった魔法数の存在を明らかにした。ポリマー保護金属クラスターの従来の予想に反し、PVP保護金クラスターの安定性が電子殻モデルに基づく電子的な要因に左右されることがわかった。これらのクラスターのアルコール酸化に対する触媒活性を定量した結果、70量体以下において劇的な活性の増大が起きることを突き止めた。さらに、この領域クラスターの幾何構造を粉末X線回折によって評価した。100量体以上のクラスターでは、結合距離の変化はあるもののバルクと類似した構造を有するのに対して、70量体以下では構造そのものがfcc構造から逸脱することを明らかにした。 すなわち100量体以上のクラスターは、バルクのfcc構造を切り出したナノ結晶に近い構造を有するが、70量体以下になると規則性の低いアモルファスに近い構造が出現すると考えられる。これらのクラスターは、電子構造のみならず、幾何構造もバルクとは大きく異なるため、新規反応性の出現が期待できる。
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