2009 Fiscal Year Annual Research Report
ガウス基底・フーリエ変換法に基づいた第一原理分子動力学法の研究
Project/Area Number |
21850002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島崎 智実 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (40551544)
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Keywords | GFT法 / DFT / 第一原理 / ab-initio / ガウス基底 / フーリエ変換 / 凝集系 / 分子動力学 |
Research Abstract |
ガウス基底・フーリエ変換法(以下GFT法と略)のための解析微分法の基礎理論の導出を行った。GFT法は研究代表者が提案している手法で、固体や凝集系の第一原理電子状態計算を効率的に行うための手法である。導出を行ったGFTのための解折的微分法の基礎理論方程式に基づき、研究代表者がこれまで開発を行ってきたプログラムに実装を行った。また、開発したプログラムの検証のために、小さな分子に対して、エネルギー微分(力)の計算を行った。GFT法はガウス基底に基づいていることから、GaussianやGAMESSなどの一般的に使用される量子化学プログラムとの互換性に優れている。そこで、計算した力を直接にGaussianの計算と比較した。これらの計算を通じて、導出したGFT法の解析微分法の基礎理論方程式および実装を行ったプログラムの信頼性を確かめた。また、開発したプログラムをOpen-MPを用いた並列化を行った。さらに、動力学部分のプログラムの開発を行い、水分子の凝集系に関して第一原理分子動力学シミュレーションを行った。開発したプログラムはまだテスト段階ではあるが、GFT法が第一原理分子動力学シミュレーションを行うために用いるための基礎データ(ガウス基底のサイズや、グ第一原理分子動力学シミュレーショリッドサイズ、並列化度、シミュレーションのためのタイムステップ等)を収集した。これらの基礎データは,今後のより実践的な第一原理分子動力学シミュレーションを行う上で非常に有意義なものである。本年度の研究により、GFT解析微分法の基礎の確立と、それに基づいたプログラムの主要部分の開発を終了し、次年度に向けてのより本格的なシミュレーション研究を行うための十分な足掛かりを得たと考えている。
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