2009 Fiscal Year Annual Research Report
天然有機化合物をモチーフとした神経細胞の分化・生長制御物質の開発
Project/Area Number |
21850003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塚野 千尋 Kyoto University, 薬学研究科, 助教 (70524255)
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Keywords | 生合成 / アルカロイド / コンプラナジン / リコジン / Diels-Alder反応 / Heck反応 |
Research Abstract |
本年度はコンプラナジン類の全合成を達成する」二で必要な単量体の合成を詳細に検討した。Delta-バレロラクタムより合成したジエンとヒドロキシヒコリン酸より調製したジエノファイルのDiels-Alder反応を行い、望みの立体化学を有するオクタヒドロキノリンを主生成物として得た。さらに、添加物・溶媒等について検討して反応の選択性を改善した。続いてトリフラート化した後、Heck反応の条件検討を行い、収率を改善して四環性化合物を73%収率で得るこができた。これにより重要中間体である四環性化合物を大量に供給することを可能とした。この結果、我々はリコジンへと誘導可能なビシクロ[3.3.1]ノナン骨格を含む四環性化合物の構築を反応の選択性・収率の面から見てより効率的なものとした。さらに、コンプラナジン類の全合成をふまえ、四環性化合物の誘導化について検討した。ケトンのメチレンへの還元や立体選択的なメチル基の導入、脱保護の条件を確立した。この知見を活かしてリコジンのラセミ全合成を達成した。 さらに、コンプラナジンの全合成に向けて光学活性な四環性化合物の合成経路の確立をする必要がある。それをふまえて、Diels-Alder反応生成物を光学活性体として合成することを試みた。本Diels-Alder反応は塩基により加速されるという興味深い知見が得られていたので、キニジンやシンコナジンなどの光学活性な塩基を用いた不斉Diels-Alder反応について検討した、Diels-Alder反応は進行するものの光学活性な反応生成物を得ることはできなかった。一方で光学活性なジエノファイルを用いた場合にはジアステレオ選択的Diels-Alder反応進行し、目的の立体化学を有するオクタヒドロキノリンを与えることを見出し、不斉合成への道筋を付けることができた。
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Research Products
(3 results)