2009 Fiscal Year Annual Research Report
アニオン駆動による分子カプセル連結法を用いたナノチューブ構造の多段階自己集合
Project/Area Number |
21850010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
CLEVER Guido The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特任助教 (30555040)
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Keywords | 超分子化学 / 分子認識 / ナノ材料 / 自己組織化 / カプセル / アニオン |
Research Abstract |
近年、水素結合や配位結合といった弱い相互作用を巧みに用いた自己集合を活用することにより、ディスクリートな超分子構造を構築する手法が報告されており、さらには得られた超分子構造に由来する特徴的な機能・物性が見出されている。これまでに我々は、合理的に設計された剛直なバナナ型配位子とPd(II)等の金属イオンから、4つの大きな出入り口を有するM_2L_4型分子ナノカプセルが定量的に自己集合することを見出している。そこで本研究では、得られた超分子ナノカプセルを連結することにより、二次元および三次元状に分子カプセルが配列した高次集積構造を構築することを目指した。その方法として、カプセル内に取り込ませるアニオン性ゲスト分子を合理設計することによって、ゲスト分子を介してカプセル分子を自在に連結することを計画した。まず、カプセル内孔にちょうど収まるサイズのアニオン性ゲスト分子の場合では、カプセル内孔に強く捕捉されることが分かった。一方、カプセル内孔よりも大きなゲスト分子の場合では、カプセル内には入らず、カプセルの外側からカプセル同士を連結することによって、高次集積構造を形成することを見出した。さらに、光異性化部位を導入したアニオン性ゲスト分子を用いたところ、暗所下では異性化せずにゲストはカプセル内にとどまったのに対し、光照射下では異性化してゲスト形状が変化したことにより、ゲストが外部に放出されることが分かった。さらに、カプセル外部に放出されたゲスト分子はすぐにカプセル間を連結することにより、カプセルが規則的に高次集積した単結晶が生成することを見出した。すなわち本研究では、光刺激に応答するアニオン駆動型の分子カプセル連結法を新たに確立することに成功した。
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Research Products
(4 results)