2010 Fiscal Year Annual Research Report
動物由来の生細胞内におけるタンパク質間相互作用の定量的解析
Project/Area Number |
21850027
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
臼井 健二 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 講師 (70543792)
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Keywords | 蛋白質 / 発現制御 / 分析科学 / ナノバイオ / 細胞・組織 / ペプチド核酸(PNA) / アミロイド / タンパク質の自己相互作用 |
Research Abstract |
細胞内でタンパク質の相互作用を定量的に解析できる技術は、試験管内よりもより正確な、細胞内でのタンパク質の実際の相互作用や作用機序の把握につながる。そして、この知見をもとに細胞内タンパク質間ネットワークの制御や、成長・分化・細胞死といった細胞の生理的活動の調節などへの展開が期待できる。本研究では、目的の相互作用に関与する2種のタンパク質の発現量を、ペプチド核酸(PNA)導入ペプチドなどを用いることにより自在に変化させることで、動物由来の生細胞内でのタンパク質同士の相互作用を詳細かつ定量的に解析できる系の構築を目指す。本年度は、相互作用解析の第一段階として、動物細胞内でのアミロイドβペプチド(Abeta)の凝集をモデルとし、自己相互作用(1種のタンパク質の相互作用)の分布や凝集の度合いを解析できる系の構築を試みた。Abetaの凝集を検出できる蛍光・発光タンパク質融合Abetaを設計・合成し、これを用いて、自己相互作用の詳細解析を試みた。実際に本検出タンパク質を細胞外から添加することによる細胞の膜、近傍でのAbetaの凝集の様子や、本タンパク質を細胞内で発現させて内側でのAbetaの凝集の様子を観察し、Abetaの有無、凝集具合で蛍光や発光強度が変化することを見出した。以上の他に、多数の定量的データを一度に迅速に取得できるよう細胞アレイの構築も行った。今後、昨年度に構築したDNA四重鎖構造制御が可能なPNAペプチドを用いて、細胞内でAbetaの発現などを調節できる発現制御システムを構築し、細胞内や近傍でのAbetaの凝集の詳細解析を行う。さらに、以上を応用して、細胞内での複数種のタンパク質の発現を制御できるシステムの確立、および多量かつ迅速な解析が可能なアレイシステムの構築も行い、細胞内でのタンパク質相互作用解析の早期実現を目指していく。
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Research Products
(18 results)