2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工ナノ構造による局在電磁場を用いた多重極遷移の制御
Project/Area Number |
21860014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小西 邦昭 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (60543072)
|
Keywords | 光物性物理学 / プラズモニクス / 多重極遷移 / ナノ構造 |
Research Abstract |
本研究は、金属人工ナノ構造によって形成される急峻な電場勾配を利用した物質中における多重極遷移確率の増大を実験的に検証することを目的とする。本年度は、局所的電場増強の報告されているボウタイアンテナのようなナノギャップを有する金属構造について、外部からの入射光に対して構造周辺に励起される電場のシミュレーション計算を行い、効率的に電場増強を実現できる構造の探索を進めた。それと同時に、実際に基板上に電子ビームリソグラフィーを行い、100nm以下のナノギャップを作製可能な描画条件を明らかにした。また、収束イオンビーム装置や、電子ビーム蒸着装置と言った、ナノ構造資料作成に必要な要素技術の習得を進め、ナノ構造を作製するための一連のプロセスを習得し、実際にリフトオフ法を用いて、ナノ周期構造を作製することに成功した。光学応答の制御には作製した金属膜のラフネスの抑制が重要であるため、アニールなどを用いて改善する方法を明らかにする必要がある。来年度以降は、本年度確立したシミュレーション手法と試料作製方法を駆使して、多重極遷移増大のために最適化された試料構造の作製を進めていくと共に、実際の四重極遷移確率の増大の検出を目指す。また、電気双極子以外の多重極効果という点において共通する、オノ構造の光学活性を用いた光波制御という点において、人工キラル構造を用いた円偏光発光や、光励起キャリアを用いたアクティブ光学活性制御に成功した。
|