2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱電変換材料へ有望なアルミ系準結晶の陽電子消滅法を用いた結合性評価法の確立
Project/Area Number |
21860021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高際 良樹 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (90549594)
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Keywords | 金属物性 / 格子欠陥 / 放射線 / 環境材料 / 廃熱利用 |
Research Abstract |
本研究課題は、アルミ(Al)系正20面体準結晶及び近似結晶の、(1)試料組織変化による電気伝導率及び陽電子消滅率の評価を行うこと(伝導には、価電子数密度だけではなく、緩和時間の効果も含まれるため)、(2)電気伝導率と陽電子消滅率との関係を調べ、両者の相関を明らかにすること、により「Al系準結晶における」陽電子消滅法を用いた結合性評価方法を確立することである。本年度は、(1)に関して、アーク溶解法並びに放電プラズマ焼結法を用い、Al-Pd-Re系準結晶の焼結体試料、また(2)に関連して、種々のAl系準結晶・近似結晶の作製を試みた。具体的には、Al-Pd-Mn準結晶に対してPd-Ni置換した試料、Al-Cu-Ru系準結晶・近似結晶である。その結果、各試料ともに単相性良好の試料作製に成功した。一部の試料に関し前ては、電気伝導率・Seebeck係数の測定も併せて評価を行った。また新たに、Al系準結晶・近似結晶の関連物質として考えられていたAl2Ru結晶相、並びにAlをGaで置き換えたGa2Ru結晶相にも着目した。これらの化合物も準結晶同様に、フェルミ準位近傍に幅の狭いギャップを形成することから、高い熱電特性が期待できる。これらの結晶相に対して、熱電物性に大きな影響を与えるクラックの入らない均質な試料作製方法を確立し、熱電特性を評価した。本年度作製した試料の陽電子消滅率の測定を行い、Al系準結晶・近似結晶及び関連結晶相の陽電子消滅法を用いた結合性評価方法の確立に向け、次年度では研究をさらに進展させる予定である。
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Research Products
(4 results)