2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21860026
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
飯島 志行 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (70513745)
|
Keywords | 表面・界面物性 / ナノ材料 / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
無機電解質で被覆された高分散性無機酸化物ナノ粒子の調製法を確立する事を目的に、まず、親水基および疎水基を有する表面修飾剤の複合利用や、有機鎖として親水鎖と疎水鎖の両方を有する界面活性剤を酸化物ナノ粒子に吸着させることによって、酸化物ナノ粒子表面上に局所な親水性場の形成を検討した。界面活性剤の添加量、吸着量、表面被覆率と各種溶媒への分散特性の関係性をFTIR,DLS,CHN有機元素分析装置などを用いて評価した。その結果、特に、Fe_3O_4ナノ粒子表面上に親水性鎖としてPEG鎖、疎水性鎖としてアルキル鎖が直接に連なった界面活性剤を飽和吸着させた系について、トルエンやTHFなどの低極性溶媒に粒子が一次粒子のサイズ(10nm程度)に分散してかつ粒子表面近傍に親水性場を有する系の調製に成功した。続いて、この粒子界面近傍の親水性場にNaCl塩を析出させる手法の検討を行った。表面修飾したFe_3O_4ナノ粒子をトルエン等の低極性溶媒に超音波分散させた溶液と、NaClを溶解させたメタノール溶液の混合手法や混合量を検討し、効率よくNaClを選択的にFe_3O_4ナノ粒子表面に析出させる手法を開発した。無機塩の析出状態をFESEM/EDS、粒子の溶媒中における分散状態をDLSにより評価し、NaCl塩をFe_3O_4粒子表面に析出させた後でも、Fe_3O_4ナノ粒子が一次粒子程度まで分散する系の確立に成功した。以上のプロセスを用いることによってNaCl塩をナノサイズで低極性溶媒に分散させる事が可能となった。
|