2009 Fiscal Year Annual Research Report
結晶塑性Phase-Field法による組織形成予測および弾塑性変形解析法の開発
Project/Area Number |
21860029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山中 晃徳 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (50542198)
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Keywords | Phase-Field法 / 結晶塑性解析 / 組織形成予測 / 弾塑性変形挙動 |
Research Abstract |
本研究は,動的再結晶や鉄鋼材料におけるマルテンサイト変態など,弾塑性変形を伴う微視組織形成過程を解析可能なPhase-Fieldモデルの構築およびその数値シミュレーション法を開発するものである.本年度に得られた成果を以下に示す.(1)高速フーリエ変換(FFT)を用いた高速な結晶塑性解析法を開発し,それをPhase-Field Microelasticityモデルに導入することで,結晶塑性 Phase-Fieldモデルを構築した.(2)構築した結晶塑性Phase-Fieldモデルを用いて,弾塑性変形を伴うマルテンサイト変態における組織形成過程のシミュレーションを行い,マルテンサイト相の形態発展とそれに伴う応力場やすべり変形による結晶方位変化を同時に解析可能であることを示した.(3)組織形成のみならず弾塑性変形による材料の流動を記述可能なPhase-Fieldモデルを開発する過程で,高精度で高速な数値計算手法が必要となったため,解決策として次世代の計算機資源として期待されているGraphics Processing Unit(GPU)を用いたPhase-Fieldシミュレーションの高速化手法の開発を行った.(4)開発したGPUによるPhase-Fieldシミュレーションの高速化手法を凝固組織の形成や粒成長の数値シミュレーションに適用し,従来のCPUによる計算よりも数倍から数百倍の高速化が可能であることを示した.次年度以降は,今年度に開発した結晶塑性Phase-FieldモデルおよびGPUによるPhase-Fieldシミュレーションの高速化手法を用いて,相変態や再結晶など組織形成過程と材料の弾塑性変形や流動を統一的に記述可能なPhase-Fieldモデルの構築を目指す.
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