2010 Fiscal Year Annual Research Report
MIMO通信路推定のための新しい符号化変調方式の構築
Project/Area Number |
21860035
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
竹内 啓悟 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (30549697)
|
Keywords | 情報通信工学 / 通信路推定 / 符号化変調 / MIMO / 確率伝搬法 |
Research Abstract |
MIMO移動体通信システムでは、送受信者の移動により通信路の状態が時間的に変化する、時間選択性フェーディングと呼ばれる現象が生じる。この環境下で高精度な通信路推定が可能でかつ情報伝送速度の高い通信方式を構築することは重要な研究課題である。 この課題を解決する手法として、パイロット信号に基づく通信路と送信データとの同時推定法が提案されている。しかしながら、これらの方式は必ずしも最良でなく、より効率の良い方式を構築することで、システムの性能を改善できる可能性がある。初年度はバイアスに基づく方式の構築方法として、強力な誤り訂正能力を持つ線形符号と送信シンボルにバイアスを課す非線形ブロック符号との直列連接符号による構成を与えた。このような構成は、通信路と送信データとの同時推定問題に確率伝搬法を適用することで、高性能な同時推定アルゴリズムを構築することが可能である一方で、計算量の点で非線形ブロック符号のブロック長に強い制約を受ける。そこで、本年度は非線形符号の符号長に関して線形な計算時間で符号化や復号を実行することができる実用的な非線形符号の構築方法を提案した。単純なレイリーブロックフェーディング通信路を想定して数値シミュレーションによってパイロット信号に基づく従来方式との性能比較を行い、提案方式の有効性を実証した。なお本年度に得た主要な成果は学術雑誌「IEICE Trans.Commun.」の2011年7月号に査読付学術論文として掲載される予定である。
|
Research Products
(9 results)