2010 Fiscal Year Annual Research Report
代数的手法と数値最適化に基づくハイブリッド・パラメトリック最適化
Project/Area Number |
21860037
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
管野 政明 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80554261)
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Keywords | 制御工学 / 代数的手法 / パラメトリック最適化 |
Research Abstract |
最終年度である本年度は,(i)δ領域でのパラメトリック多項式スペクトル分解の代数的手法の提案,(ii)数値・数式ハイブリッド最適化手法の確立,(iii)代数的手法に基づくH_2モデル低次元化法の提案,を行った.(i)に関しては,ディジタル制御系の最適設計において必要とされるδ領域での多項式スペクトル分解においても単純な手続きでグレブナ基底が得られることを導出した.これにより,より現実的な制御系設計問題においてもパラメータを残したまま最適設計が効率的に行えることが示せた.そこでは,また,サンプリング周期もパラメータとして扱えるという利点も明確になった.(ii)に関しては,既存の手法に対する本研究の提案手法の位置づけを明確にし,物理パラメータを変数として残すことにより,システムの機構と制御系の同時最適化が効率的に行えることを示した.これは,前年度行った代数的Riccati方程式の代数的解法の実装など,ツールボックスの成果も用いたものである.この結果を主に(i)の内容も含めた成果を報告した論文が論文誌に採択された.(iii)に関しては代数的手法の新たな適用例としてH_2モデル低次元化問題に対し,既存の手法よりも効率的に解を得る方法を提案し,SICE 2011にて発表した.この結果は,パラメータを含んだまま最適解を得られる可能性があり,今後さらに研究を進めることにより,最適解の性質に関して新たな知見が得られることが期待される
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